探偵に調査を依頼するとき、最初に出てくるのが「契約書類」。でも、あなたが「これって何にサインしてるの?」と感じてしまうのも無理はありません。
探偵業界では、法的なルールに基づいて契約書面が定められており、きちんと整備されている業者であれば、必ずあなたに必要書類を提示して説明する義務があります。だからこそ、その内容をあらかじめ知っておくと、不要な不安やトラブルを避けられます。
探偵契約で交わされる主な書類とは
契約時に交わされる書類は主に以下の3種類です。これは「探偵業法」という法律に基づいて定められており、どれも非常に重要な役割を持っています。
① 「重要事項説明書」
これは、調査の内容や料金体系、契約の条件など、あなたが契約前に必ず理解しておくべき内容を記載した文書です。
たとえば、以下のような情報が書かれています:
- 調査対象者の名前や住所
- 調査方法(尾行、張り込み、聞き込みなど)
- 調査の実施時間や期間
- 使用する調査員の人数
- 基本料金や加算費用の計算方法
- 契約解除・キャンセル料の条件
ここで納得できなければ、まだ契約に進んではいけない段階です。必ずあなたの質問にしっかり答えてくれる業者かどうか見極めましょう。
② 「契約書(調査委任契約書)」
これは、重要事項説明書をもとに、あなたと探偵事務所が正式に契約を交わす文書です。内容に納得した上でサインをすることになります。
契約書には次のような要素が含まれます:
- 依頼人と業者の情報(氏名・住所・連絡先)
- 調査目的と調査対象
- 実施予定期間と時間
- 費用の総額・支払方法
- 調査終了後の報告方法
- 守秘義務に関する取り決め
- 万が一のトラブル時の対応(損害賠償や契約解除の条件など)
一見すると形式的に見えますが、この契約書はあなたを守る大切な法的な武器になります。あとから「聞いていない」「そんな契約してない」といったトラブルを避けるために、必ずコピーを保管しておきましょう。
③ 「同意書」や「個人情報の取り扱いに関する書面」
調査対象が第三者になるケース(たとえば浮気調査など)では、違法な調査を防ぐために、依頼者の責任範囲を明確にする書面も一緒に提出することがあります。
また、個人情報保護法に則って、あなたが提供する個人情報の取り扱いや保存・破棄の方法について書かれた書類もあります。きちんと書面で交付されているかどうかは、その業者が法令遵守しているかの重要なバロメーターになります。
実際の書面サンプルってどんな感じ?
具体的な書面のフォーマットは探偵事務所によって多少異なりますが、公安委員会への届出がされている正規業者なら、探偵業法に則ったフォーマットが用いられています。
書面は通常、A4サイズ1〜3枚程度に収まっており、契約の目的、期間、調査対象、調査方法、料金、守秘義務、解除条件などが明文化されています。
中には、「調査報告の提供方法(紙面/PDF/USB)」まで細かく記載されていることもあります。
契約前にチェックすべきポイント
書面を前にしたとき、あなたが安心してサインできるように、以下のポイントを必ずチェックしてみてください。
● 内容が曖昧・抽象的すぎないか?
「成功報酬型」や「実費別途」などの言葉が使われていた場合、具体的な料金の内訳や上限を必ず確認しましょう。後から高額請求されるトラブルの多くは、この曖昧さから生まれます。
● クーリングオフの説明があるか?
契約書には、特定商取引法に基づいた「クーリングオフ(契約解除)」について記載が必要です。とくに店舗外(カフェなど)で契約する場合は、8日以内の書面解約が可能だという説明がなければアウトです。
● 署名・捺印があなたと業者双方にあるか?
契約書が正式に有効となるには、あなたと探偵業者の双方が署名または押印していることが必要です。どちらかが欠けていたり、コピーしか渡されない場合は要注意。
まとめ:契約書面は「あなたを守る盾」になる
探偵との契約書面は、単なる事務手続きではありません。万が一のトラブルからあなた自身を守るための、法的な証拠でもあるのです。
もし業者が契約書を曖昧に済ませようとしたり、口頭だけで契約を進めようとした場合は、それだけで信用に値しないと考えてください。
あなたの大切な問題を預ける相手だからこそ、書面の内容を丁寧に説明し、誠実に対応してくれる探偵社を選ぶことが、安心して調査を任せるための第一歩になりますよ。