「探偵って、違法なことしてるんじゃないの?」と感じたあなた、その疑問はとても大切です。
実際にネットでは「尾行ってプライバシーの侵害では?」「盗聴してるんじゃない?」といった声を見かけることもありますし、探偵=グレーな存在というイメージを持つのも無理はありません。
でも本当に優良な探偵事務所は、法律をしっかり守りながら調査を行っていて、依頼者であるあなた自身も違法性のある調査に巻き込まれないよう配慮されています。
ここでは、「探偵が法律違反しないために守っていること」や「違法行為との境界線」について、あなたにもわかりやすくお伝えしますね。
探偵業は法律でしっかり管理されている
まず知っておいてほしいのが、探偵業には**「探偵業法(正式には探偵業の業務の適正化に関する法律)」**というルールがあることです。
この法律によって、探偵業を営むには公安委員会への届出が必須で、届出をせずに営業している業者は完全に違法です。あなたが依頼する前に、その探偵事務所がちゃんと届出済みかどうかを確認するのはとても大事なことです。
合法な調査の具体例
探偵が行っても違法にならない調査の範囲には、ちゃんと線引きがあります。代表的な合法調査は、以下のようなものです。
- 公道や店舗など誰でも出入りできる場所での尾行・張り込み
- 依頼者からの正当な理由がある場合の聞き込み調査
- GPSを使った追跡(※条件あり・後述)
- 公共の場での写真・動画撮影(決して盗撮ではない)
つまり、公共の空間で行動を観察するのは、基本的に合法です。探偵はこの「誰にでも見える範囲で調査する」というルールを徹底して守っています。
違法になってしまう調査の例
一方で、法律に抵触する行為も明確に決まっています。もしこれらを行っていたら、違法調査と判断される可能性が高いです。
- 盗聴・盗撮(室内に無断で機器を設置するなど)
- 敷地への不法侵入(対象者の家やオフィスなど)
- 本人の同意がないままの個人情報の取得(住民票・口座番号など)
- 暴力・脅迫・強要行為
- 他人名義でのなりすまし調査(SNSや職場への虚偽接触など)
このような違法行為に手を出している業者は、あなたにもリスクを及ぼします。最悪の場合、「依頼者であるあなたも共犯とされる」恐れもゼロではないんです。
GPS追跡はどこまでOK?
探偵が使う機材の中でも、特に議論になりやすいのが「GPS追跡」です。これは対象者の車にGPS発信器を取り付けることで移動を把握する手法ですが、誰の車にどう使うかで合法・違法が分かれます。
- 依頼者が所有する車両(配偶者名義など)であれば、合法の可能性が高い
- 他人名義の車や、同居していない元パートナーの車には原則NG
つまり、あなたの夫・妻の車で、あなたにも所有権や管理権がある場合は、探偵もGPSを合法的に使えることがあります。ただし状況次第で解釈が分かれる部分なので、事前に弁護士の意見を交えながら判断している探偵社だと安心です。
優良探偵事務所が守っていること
法律違反を防ぐために、信頼できる探偵事務所は次のような行動を徹底しています。
- 契約前に「重要事項説明書」を交付してくれる
- 調査の方法や目的について文書で明示してくれる
- 調査中に問題が発生しそうなときはすぐ連絡・相談してくれる
- 「違法になる可能性がある」と判断した場合は依頼を断る勇気がある
中には「何でもやりますよ」と言ってくる業者もありますが、むしろ断ってくれる方が法的に信頼できます。あなたの立場や将来をきちんと守ってくれるのが、本当のプロです。
依頼者が気をつけるべきこと
あなた自身が違法に巻き込まれないためにも、以下のことは必ず意識してください。
- 「盗聴してほしい」など違法な要望は絶対にしない
- 契約前に、調査の方法をきちんと説明してもらう
- 「証拠が取れれば手段は問わない」という依頼の仕方はしない
- 探偵業届出証明書の提示をきちんと確認する
また、契約書や重要事項説明書を渡してこない業者は、その時点で危険信号です。「よくわからないまま口約束だけでスタート」は、絶対に避けてくださいね。
まとめ:違法をしないからこそ証拠が有効になる
探偵が法律を守って調査を行うのは、ただのマナーや道徳ではありません。
裁判で証拠として採用されるには、「違法行為で入手した証拠ではないこと」が大前提です。つまり、合法的な調査=あなたにとって一番意味のある証拠になるということです。
もし不安があれば、事前に複数の探偵社へ相談し、調査方法や法的な考え方の違いを比較してみてください。それだけで、あなたが安心して一歩を踏み出せる判断材料になるはずです。